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感想:食べる男

 

 

 時間が出来たので、忙しくなる前に読んだ「食べる男」という本の感想を述べたいと思います。以下ネタバレです!

 

 

 

 

 

 

 

 


    作者である皮算用狸吉さんのファンなので、先月に出た「食べる男」のレビューにも満たない感想を書こうと思います。「食べる男」のあらすじを端的に言うならば、味覚が他の一般の人々よりも逆になっている特殊な感覚を持つ男の話、でしょうか。彼は日常の中で味覚の差異における差をひしひしと感じていました。そして自分の美味しいと感じた物、好きな物を周りから否定され続けて少しひねた性格をしています。

    冒頭でも、テレビでやっていた「食べた瞬間に美味しいという行為」をそんなすぐに味を感知できるなどありえないと鼻で笑い、48ページでは好きな女の子がそれをやっていて幻滅する(しかし54ページ目では既にまた好きになっていてとても単純なように感じる)など、この本では淡々と彼の日常が続いている。他にも、カラオケオールをして楽しかった、久々にマンションの管理人さんに会ってしまい怒られた、メニメニエトセトラ、短編のような形で綴られる彼の日常は読んでいるうちに親近感を湧かせます。

 

 しかし冒頭で述べられていた通り、彼の味覚は通常の逆、甘いは苦い、まずいは美味い、酸っぱいは渋い…その事が、なんやかや平和に暮らしていた彼に少しずつ少しずつズレを作り、気づくと大きな問題に陥っている。これが非常に緻密なもので、自分はその少しずつのズレに気づけずにいたので、ラストのシーンでは「そういう事か!!」とつい声をあげてしまいました。今まで本当に単純な日常を描いてきたのはこれをやりたかったからなのだ、と恐怖さえ覚えました。そのズレはいつから起こっていたか、それとも初めからもうズレ始めていたのか、それを確かめる為に2度目を読もうと思います。

 

 

 詳細を貼っておくので、もし興味が出たら調べてみてください!オススメです!!

 

 

タイトル:食べる男
作者:皮算用狸吉
出版社:ハルク図書
値段:1470円(ハードカバー、大判)
発売日:2017年1月14日

 

 

 

 

 

 

 


※全部嘘です※